アシストシステムで浪人させていただいた結果、念願の京都大学に合格することが出来ました。僕にとってアシストシステムで過ごしたこの1年間がどれほど大切なものであったかは言うまでもありません。本当に感謝の気持ちでいっぱいです・・。というわけでこの1年間を振り返ろうと思います。
僕は現役時、前期日程で京都大学を受験するも不合格になりました。現役時のセンター試験の出来はおよそ80%で、いくらセンター試験の配点が少ない京都大学とはいえ、この出来で二次試験を迎えるのはかなり厳しく、二次試験で逆転できるような学力も身に付いていなかった僕にとって不合格は必然でした。後期日程では神戸大学を受験しましたが不合格でした。この神戸大学の不合格によって、「前期で京都大を受けたのだから、後期で神戸大くらい受かるだろう」という甘ったれた幻想を抱いていた僕は、大学受験の厳しさを初めて痛感しました。それと同時に浪人が決定しました・・。
さて、浪人が決定して最初にするのは予備校選びなのですが、僕はあまり大手予備校に魅力を感じませんでした。というのも、大手予備校では授業が朝から夕方まで行われ、自習時間があまり確保できず、通ってただ授業を受けているだけで成績が伸びるという錯覚に陥る可能性が少なからずあったからです。また、大手予備校では完全に一方通行の状態で授業が行われるため、生徒各々への柔軟な対応が欠けているのではないかと思いました。だからといって、僕に宅浪する気合いや根性など微塵もありませんでした。そんな中、周りの友人達は何のためらいもなく大手予備校に通うことをすでに決定していました。それとは対照的に、決断を下せずにいた僕は焦燥感に駆られ始め、インターネットで様々な予備校をひたすら検索していると、アシストシステムという予備校のホームページを発見しました。ホームページを見てみると、どうやらアシストシステムの特徴は
①基本は自習中心
②自由に授業を受けることもできる
③分からないことがあればすぐに質問できる
④自習用教材の配布や確認テストがあるなどなど
・・・だそうです。このようなハイブリッドなシステムに僕はかなり興味を抱きました。すぐに見学に行きました。見学はほんの数十分でしたが、ここでならこの1年間気持ちよく勉強できるに違いないと直感し、アシストシステムで浪人することを即座に決めました。今思うと、アシストの雰囲気がそうさせたのかもしれませんね。両親にアシストに通うことを説明すると、両親はアシストに多少懐疑的になりましたが(普通に大手予備校に行くと思っていたらしいです)快く承諾してくれました。結局浪人して勉強するのは僕自身だから僕の通いたいところに通いなさいということらしいです。僕の事を十分に理解してくれているからこそ、そう言ってくれたんだと思います。
そしてアシストでの浪人生活が始まりました。アシストでは基本的に朝から晩まで自習しました。何も考えずやみくもに自習していては非生産的なので、自分に足りないのは何なのか、その穴を埋めるためにすべきことは何なのかを常に客観的に考えて自習するよう心がけました。分からないことがあるとすぐに先生に質問できるので、自習がスムーズに進みました。
授業は必要なものだけ(英数国)を取りました。英語は森口先生にお世話になりました。英語は相対的にみればまだ得意な科目だったので基礎から教えてもらうというよりも演習中心の授業でした。具体的に述べると、宿題として出される様々な大学の入試問題を解いて、その答案を授業中にリアルタイムで添削してもらうというものでした。この「授業中」というのがミソでした。普通添削と言えば、答案を書いた張本人である生徒がいない状態で先生が答案を訂正するものであり、肝心の「生徒がどのようにしてその答案を作成するに至ったか」ということは考慮されることなく行われます。つまり、この方式の添削はかなり一方通行なんですね。しかし、森口先生は授業中に答案をチェックしてくださったので、答案作成者側である僕の意見も考慮して丁寧に答案を添削していただきました。このように一方通行ではなく双方向的に授業が行われるところが、アシストシステムの素晴らしいところの一つであるように思います。
数学は早川先生にお世話になりました。授業中に先生の目の前で様々な大学の入試問題を解いて、その後すぐに先生に解説していただきました。また、単元ごとに確認テストを用意していただきました。数学の授業で一番役に立ったと思うことは、問題を解く際の方針や、答えに辿りつくまでの論理展開を厳しくチェックしていただいたことです。早川先生の授業を受ける前は、数学の問題は何となく手を動かせば答えが得られるのではないかと思い込んでいましたが、早川先生の下で訓練するにつれて、それがいかに浅はかな考えであったかということを痛感しました。このおかげで、京都大学の数学を解く際に死活的に重要となる、飛躍や欠陥のない正確な論理を展開する能力を養うことが出来たのだと思います。授業を受けた後は、授業中に取り上げられた問題から、定石や解法手順などをもう一度見つけ出して、ノートにまとめていきました。(最終的にこのノートは4冊作成しました) このおかげで、模試や本番の試験前に重要なポイントのみピックアップして確認することが出来ました。ノート作りを行う際に気をつけていたことは、ノート作りに時間を取られすぎないということです。ノート作りはあくまでも、問題が解けるようになるという目的に対する手段に過ぎません。この順序を履き違えてしまうと自己満足に終わる可能性があるということを常に念頭に入れてノート作成に励みました。授業は秋になると、京大模試の過去問を時間内に解くテストゼミ形式に変わりました。このテストゼミ形式の授業では、本番の限られた時間内でどのようにして問題を解いていくのかを具体的に教わることができて本当に役に立ったと思います。
国語は小林先生にお世話になりました。授業中に時間を計って様々な大学の入試問題を解きました。解いた後すぐに僕の答案と照らし合わせて解説し、添削していただきました。国語という教科はどうしても自分で勉強することが困難だったので、本当にありがたかったです。また、古文単語テストや古典文法プリントを用意していただいたおかげで、現役時は足を引っ張っていた古文に対する苦手意識が徐々に薄れていきました。
このような形で授業を活用して自習を進めた結果、夏の京大模試でA 判定を出すことが出来ました。現役時に受けた夏の京大模試はE判定だったので、成長を実感することが出来ました。それと同時に、自分がアシストで築き上げた勉強法が正しかったのだと納得して嬉しくなりました。ますます頑張ろうと決意したのでした・・。その後、秋になっても手を抜くことなく、勉強に励みました。特に英語に関しては、自分から授業で取り上げて欲しい問題を先生のところに持っていくほど積極的に取り組んでいました。1回の授業で京都大学の英作文を7題ほど添削してもらうこともザラでした。現役時の自分が見たらびっくりしたでしょうね。それくらい勉強に対し能動的になっていました。
12月になりました。この時期になるとセンター試験に向けて準備し始めました。アシストにはセンター試験の過去問や模擬テストが豊富に用意されていたので、それらをひたすら解きました。僕自身センター試験は本当に嫌いで、この時期はかなりストレスが溜まりましたが、アシストの仲間と一緒に大量の問題を解くことで何とかモチベーションを維持することが出来ました。自分1人じゃ挫折していたかもしれませんね。結局センター試験の出来はおよそ85%と、ボーダーに少し足りないという結果だったのですが、僕は完全に二次型の人間だと自分でも分かっていたので、すぐに二次試験に向けて切り替えることができました。
センター試験から二次試験までのおよそ40日間は新しいことをやるというよりも、この1年間自分が学んできた内容を整理することを目標にして過ごしました。センター試験から解放されて精神的にも身体的にも楽になったせいか、この時期は本当に自習がはかどりました。真の知力が身に付いたのは、おそらくこの時期だったように思います。二次試験の前日にはアシストの先生方に励ましの言葉をいただいて本当に嬉しかったです。「明日と明後日に行われる二次試験で自分の実力を精一杯発揮して、是非とも先生方の御恩に報いたい・・・」そう思いました。
いよいよ二次試験の日になりました。1日目は午前が国語で、午後が数学でした。国語は最初の科目だったせいか、かなり緊張してしまい、全部の問題を解ききることができませんでした。数学は何とか落ち着いて解くことが出来ました。1日目の出来は総括するとやや不満が残ったので、2日目の午前の英語と午後の日本史は気持ちを切り換えて取り組もうと思いました。英語は本当にリラックスした状態で解くことができました。特に英作文はかなり自信を持って解答することが出来ました。そして最後の科目である日本史になりました。日本史はまずまずの出来で、やっと試験が終わりました。この2日間のために、1年間勉強してきたのかと思うと、かなりあっけないものだなと感じました。
合格発表までの期間は、後期試験に向けて勉強しようと思っていたのですが、前期の結果があまりにも気になって、なかなか手を付けることが出来ませんでした。落ちていたらどうしようと、弱気になって寝付けない日もありました。
3月9日になりました。合格発表の日です。京都大学は家から近いので、実際に見に行くことも出来たのですが、落ちていた時の虚しさを考えて、インターネットで見ることにしました。手を震わせながらホームページにアクセスしました。受験番号450は確かにスクリーン上に映し出されていました・・。しばらくの間、何も考えることが出来ませんでした。そして安堵しました。嬉しさよりも安堵感の方が大きかったように思います。
この1年間を振り返るとざっとこんなところでしょうか。振り返ってみると、充実感もあったのですが、それ以上に、辛さを感じることの方が多かったように思います。それでもコンスタントに努力し続けることが出来たのは、個性に富んだアシストの仲間がいてくれたからだと思います。自分1人で勉強するのがしんどい時は、アシストのみんなと一緒に勉強しました。アシストシステムには、みんなが協力して勉強できる環境が整っています。僕は文系だったためか、センター生物が苦手で、それが悩みの種だったのですが、生物が得意なアシストのメンバーに交じって一緒にセンター生物の問題を解いた後、解説してもらうということを繰り返すことで、徐々に点数が上がっていき、本番では93点を取ることが出来ました。(現役時は72点でした・・)また、みんなと食事に行ったりするなど、息抜きも出来て本当に良かったと思います。
最後になりましたが、温かいご指導をしていただいた早川先生、森口先生、小林先生、どうもありがとうございました。そしてこの1年間共に戦ったアシストのみんな、本当にありがとう。
アシストシステムで浪人したこの1年を忘れず、これからの人生を歩んでいこうと思います。
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